ワタミの外食事業の離職率は、厚生労働省公表の宿泊業・飲食サービス業の離職率を下回っているのか
ワタミに対する個人的な見解は別として、論理的に気になったので辿った話。
ワタミの外食事業の離職率(平成22年4月入社社員の3年以内離職率42.8%)は、厚生労働省公表(平成23年統計、以下同じ)の宿泊業・飲食サービス業の離職率(同48.5%)を下回っています。
これに対するツッコミとして、下のtogetterを見た。
「平成24年4月入社」が「平成22年4月入社」に改変されたのに何の周知もない、というのが誠実さに欠けるのはまぁこの際おいといて、このコメントが気になった。
わたなべ美樹氏の現在のブログでは、「ワタミの外食事業の離職率(平成22年4月入社社員の3年以内離職率42.8%)は、厚生労働省公表(平成23年統計、以下同じ)の宿泊業・飲食サービス業の離職率(同48.5%)を下回っています」となっている。厚生労働省公表の宿泊業・飲食サービス業の離職率は、平成21年4月入社は48.5%、平成22年4月入社は40.1%、平成23年4月入社は24.8%となっている。比較する年度を間違えたのか、数値を間違えたのか?
これが本当なら、異なる基準の離職率を比較した上で、他より低いとのたまっていることになるので、すごく悪質だと思う。こう修正しなければならない。
ワタミの外食事業の離職率(平成22年4月入社社員の3年以内離職率42.8%)は、厚生労働省公表(平成23年統計、以下同じ)の宿泊業・飲食サービス業の離職率(同40.1%)を上回っています。
でもそもそも、この数値たちの根拠がどこなのかわかんないうちは断言できないですよね。デマは怖いですね。大本の冒頭の記事も、(ソース貼れとまでは言わないけど)どの統計資料の話なのかはっきり書いてくれてないし、とりあえずは調べるしかない。
と思ってググったら厚生労働省の資料になんとか辿り着いた。URLが2010/01とかなってて紛らわしいけど、平成23年度までのデータは反映されてる。こんだけ階層深い資料に簡単にアクセスできる検索エンジンのすばらしさよ。
実数を色々書いてある資料もあるんだけど、問題の%については「大学」の「大分類」の「グラフ」を見ればいいかな。これ。2ページ目の右下のグラフが宿泊業・飲食サービス業になってる。
めんどくさいんで貼っつけるけど、togetterのコメントの数値は正しいようですね。
だめじゃん論理破綻してんじゃん。と思ったけど、これだと平成22年度の新卒者はまだ3年経ってない。比較してる時点が違うし、そもそもワタミの方は算出方法も明らかでないので、そもそも比較できない数値ですね。togetterのコメントに乗せられてしまった。
最大限好意的に仮定して、今回公開された「42.8%」という数値が、今年3月末時点の平成24年度での計算で出てきた数値なら、「新規学卒者の離職状況に関する資料一覧」の平成24年度版が公開されれば、単純比較できるのかもしれない。その時その値が42.8%を上回っているか下回っているかまだ確定しない。
手っ取り早くこの問題を明らかにするなら、平成21年4月入社社員の3年以内離職率を公表して戦うしかないですよ。ここまで自信満々に主張しているのだから、きっとこの値が既に48.5%を下回っているに違いない。